糖尿病診療
糖尿病症状には多飲、多尿、口渇、体重減少、意識障害といった症状があります。
しかし糖尿病初期には無症状であることがほとんどで、本当に怖いのは動脈硬化が進んでおこる合併症です。糖尿病の診療では合併症を予防し、健康な人と変わらない生活の質と寿命を維持することを目標としています。食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、血糖の良好なコントロールを目指してその方にあったやさしい糖尿病治療を行っています。
糖尿病合併症の診断
糖尿病により動脈硬化が進行しておこる大血管症には心筋梗塞や脳梗塞などがありますが、突然死につながる深刻な合併症です。心電図や頸動脈エコー検査から異常がある場合、併設する循環器内科や連携する大病院での精密検査につなげています。
微小血管症には三大合併症として糖尿病性神経障害、網膜症、腎症があります。進行すると足壊疽、失明、透析につながることもあり、生活の質QOLを落とします。
糖尿病合併症の早期診断に神経伝導速度検査DPN、眼底カメラ、血圧脈波検査ABIが当院でも受けられるように医療機器が十分に整備されています。
糖尿病では皮膚感染症、膀胱炎、水虫、歯周病などの感染症リスクが高くなります。発熱時には重症化リスクが高いため、早期に診断と治療ができるように当院発熱風邪外来も受診いただけるようにしています。
糖尿病は全がん発症リスクが1.2倍に上昇することも知られています1)。併設する消化器内科では、糖尿病でがん発症リスクの高い肝臓がん、膵臓がん、大腸がんなどの合併がないか腹部エコーやAI搭載大腸カメラで精査しています。
また、糖尿病は認知症リスクが2~4倍と高いことも知られています2)。高齢の糖尿病患者さんに対する投薬治療については、隠れ認知症にも気をつけて診療しています。
インスリンの作用不足でおこる2型糖尿病は、生活習慣病の一つです。その方の生活スタイルに合わせて糖尿病合併症を起こさないように優しい医療を提供すべく継続的で全人的なフォローを行っています。
糖尿病専門医による治療
当院では糖尿病で結果をすぐ治療に反映する必要のある時には、検査結果(血算、HbA1c、尿検査など)を3分以内にお伝えできるようにしています。
インスリン使用中や多剤内服中であっても、当院は女性の日本糖尿病学会糖尿病専門医や総合内科専門医が丁寧な診察と投薬加療を行っておりますので安心して受診していただけます。糖尿病の食事管理には管理栄養士による栄養指導も受けられます。糖尿病教室も定期的に開催して意識啓発活動も行っております。
健診で糖尿病の疑いが指摘された場合は初診外来申し込みをしてください。その他、糖尿病についてお困りのことがあれば、まずはお気軽にお問い合わせください。
(糖尿病はダイアベティスと呼称を変えることとなりましたが本HPではなじみのある糖尿病で表記しました)
- 第56回日本糖尿病学会年次学術集会
- 日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2012-2013,P83